抗菌の歴史

コラム

現代までの人類の医療技術や衛生管理面において、抗菌の歴史とは根強い関係性があります。古代エジプトやギリシャでも細菌感染の治療に抗菌薬が使われていたことが知られています。例えば、ハーブは医用ワインにも使用され、エジプトの乾燥気候下では有機物質の保存に一役買っていました。

また、中世ヨーロッパでは14世紀に黒死病と呼ばれる腺ペストの流行病がありました。人口の1/3が死亡したと推定されており、人類史上最も死亡者が多いパンデミックの1つとして知られています。当時の医療従事者は感染を予防するために様々な方法を試みました。例えば、毒蛇の肉を薬と称して与えたり、香草や酒精を用いたりして感染症が広まるのを予防していました。

近代に入ると、科学の進歩により抗菌の仕組みが解明されました。1928年にイギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングによって発見された「ペニシリン」という抗生物質によって多くの感染症治療に革命が起きました。ヒトに対する毒性は低いものの、細菌の増殖を抑制できる作用メカニズムが抗菌薬に応用され、これによりたくさんの命が救われました。

現代に至るまでにも多くの抗菌剤が開発され続け、今では医療現場で広く流通しています。抗菌剤は外科手術において術中や術後の感染症の発症確率を抑制し、風邪や食中毒などの日常的な感染症に対しても無くてはならない治療薬となりました。ですが、抗菌剤を過度に使用すると、その薬剤に対する抵抗力が高く、薬が効かない状態になった耐性菌の増加を招きかねません。この問題は世界的に広がっており、抗菌薬が効かない「耐性菌ばかりの世界」になる危険性が指摘されています。

私たちには過去があったからこそ、現代の医療に繋がる進化を成し遂げてきました。今ある医療技術にはそれ相応の時代背景があったことを踏まえ、また、耐性菌の増加を食い止めるために、適切な抗菌薬の使用と感染症対策に注力する必要があります。これからも新たな抗菌技術の発展と、その都度正しい抗菌薬の運用が望まれることでしょう。過去から学習し、有効利用することこそがこの先も抗菌技術の開発が続く助けとなるのです。

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